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第6話

Auteur: 狐狸
last update Date de publication: 2025-06-04 13:56:02

「そ、そんな……本当、なのですか?」

全身から急速に血の気が引いていくのを感じ、立っていることすら困難なほどの激しい眩暈がアイリスを襲った。白い顔は、蝋のように色を失っている。

「そうだ」

玉座の父は、まるで他人事のように、感情の欠片も見せず淡々と肯定した。

「百年の盟約は絶対である。我が王国は、定めに基づき、王族の姫をかの国へ差し出さねばならぬ。……幸い、我が国には、その役に『ちょうどいい』者がおったというわけだ」

その声には、実の娘を死地へ送るという苦悩も、憐憫も、一片たりとも含まれていなかった。ただただ冷え切った、無慈悲な響き。

あまりの冷酷さに、アイリスの心は、薄氷のように、無惨にも砕け散ってしまいそうだった。

「ち、父上……。ど、どうか……お考え直しを……」

アイリスは、最後の望みを託すかのように、震える唇で懇願の言葉を紡ごうとした。

しかし、声は喉の奥でか細く痙攣するだけで、意味のある音となっては響かない。

そんな哀れな娘の姿を、玉座の父は路傍の虫けらでも見るかのように一瞥し、冷淡に、そして侮蔑を込めて片手を軽く振った。

「アイリス。まさか、この期に及んで、王の決定に否と
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